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熱帯雨林の不思議な原猿、スローロリスの飼育
野生動物学科 山口公輔、北嶋 円

かわいいロリスたち。
「ロリス」とはオランダ語で道化師という意味があります。私たちは4月から「のろまな道化師」スローロリス4頭のキーパー&トレーナーになりました。私たち二人の飼育レポートです。

メダマ
スローロリスとは・・・?
スローロリスという動物を知っていますか?私もこの子たちと出会うまでは、見たことも聞いたこともない動物でした。「リス」を連想する人もいるかと思いますが、彼らは原始的な猿(原猿)の仲間です大きさは体長20〜30cm、体重0. 5キロから1kgほどの小さな身体で、大きな目と熊のような風貌はどこかパンダ的です。しかし、物をしっかりと掴める手の指先には、私たちと同じ爪があり、指先だけを見れば人間的でもあります。東南アジアの熱帯雨林に分布しておりたくさんの亜種がいます。最大の特徴は名前の通り「スロー」なうごきです。多くの猿の特徴である飛んだり跳ねたり、走ったり、引っ掻いたり、という行動はできません。逆に「スローに動く」ことで、天敵やエサとなる昆虫から発見され難いように進化したようです。本校には2亜種います。

源さん
飼育下での行動
スローロリスは夜行性です。朝登校すると、彼らはケージの片隅で「まん丸なボール状」になつて眠っています。この習性を利用して、朝一番に掃除をしてしまいます。この時のロリスの動く様子は、まるでスロー再生の映像を見ているようです。そんな彼らも大好物のバナナを見ると、今までの動きが演技だったかのように俊敏(?)になります。そんな時ちょっと油断をしているとかわいい手で指を握られられて「ガブッ!」ときます。小さいながらも歯は鋭く顎の力もあります。また、握力もあり、吸盤のような手を使って、机でも、ホワイトボードでも、ガラス温室の支柱でもスイスイ登っていきます。

チャパンダ(左)
パンダ(右)
毛繕いをしてあげているところ。
この2頭は毛足が長く、顔の白毛の面積が広い。
スマトラ・スローロリスと言われる亜種。
ケージの外の行動
普段は個体別飼育をしていますが、ケージから出してあげると、興味深い行動を見せてくれます。外に出た彼らは、すぐに仲間同士でグルーミングを始めます。このときは雄雌の関係はないようです。その後はダンゴ状態になったり、4頭が連なって登ったり、降りたり、ぶら下がったりと仲良く遊びますが、急に噛みあって「ブーブー」と怒り出すこともあります。樹上生活しているスローロリスは、手足の握力が強く、身体の関節も発達しているので、少しでも掴むことができればどんなところへも移動することができます。しかし、その机の上などの平面は苦手のようで、何とも言えないおかしな四足で歩きます。

強制水浴びの後。雨の多い熱対雨林の動物だが、
異常に水を怖がる一面も。
鳴き方の種類
鳴き方は3パターンあります。
@「チチッ」:仲間を呼ぶとき、呼び返すとき
A「 ジジジジジ・・・」:顔を掴まれたり噛まれたりして嫌がっているとき
B「ブーブー」:興奮したり、怒っている
又全ての個体ではないのですが、夕方の空腹時に はくしゃみを連発し
て、餌を促すものもいます。

後ろ足の第2指だけにある鉤爪
飼料の内容
飼料は放課後に作って、与えています。
現在のメニュー
バナナ、リンゴ、マンゴー、ライチなど +サル用ペレット
副食として
時々、小松菜などの野菜、卵、コウロギ、バッタなどの缶詰の昆虫を与えています。
カルシウムを中心としたサプリメントは毎日ごく少量を果実の表面に振りかけています。最近はフィールドワークの授業で採取した桑の実や、生きたトンボや蝶もあたえています。4頭には同じ餌を与えていますが、それぞに好みがあるようで、食べる順番が皆違います。

口の中の小さく鋭い牙
飼育状況と今後の課題
一日の飼育内容は
@体重測定、フンの状態の記録、毎日の健康状態をチック
A運動・・・時間がある限りケージから出して運動をさせる。
時々、日光浴や水浴び
今後の予定
■色彩の識別学習 
■24時間の生活リズムの把握 
■個体間の優劣
などの生態調査の計画を立てています。
まだ先は長いけれど、一歩一歩前進していきたいと思います。
本当は、マレーシア研修で野生のスローロリスを観察して飼育に応用したかったのですが、残念ながら見つけることができませんでした。これからも頑張って飼育していきたいと思っています。
スローロリスの巣が完成!
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